5月に観た映画 〜林檎とポラロイド、ブルックリンでオペラを、ハイキュー!!〜

映画紹介

新宿ピカデリーの長いエスカレーターでゆっくり現世に帰ってくる。

1位 林檎とポラロイド

ギリシャが舞台なのかな。映像が綺麗な映画だった。哀しくて優しい、いい夢見れそう。

突然記憶喪失になる人が大量に発生する。彼らは、言葉とか歩き方、マナーや服の着方とかは忘れてないけど、家族についてや、これまでの思い出がすっぽりと無くなってしまう。

その治療法というか、記憶をなくした人が自立できるようにするプログラムがあり、そこではテープの音声で様々なミッションを言い渡され、達成したらポラロイド写真を撮るというものだった。ポラロイド写真とかテープを読み取る機械とか初めてよく見たのでエモいなと思った。

死に際の人を看取るというミッションで、ケーキを作る男を見て、これまでの思い出やしがらみを無くした人がまっさらな気持ちでこのプログラムをやったら、世界を優しくすることができるんじゃないかと思った。

主人公の男はリンゴが大好きでよく食べていたが、「リンゴは記憶力を良くするのになんで売れないんだろ」と八百屋が言った時だけミカンを買って帰った。リンゴこれだけ食っても忘れたんだ。いや、忘れようとしてた?彼は本当に記憶を失っていたのかな。どうやら違うらしい。辛い過去を忘れたかった?そう思うと、最初のバスのシーンが違和感あると気づく。

最後のシーンでリンゴ食べてて良かった。どんな事があってもリンゴはちゃんとずっと好きで、忘れようとしても忘れられない。

2位 ブルックリンでオペラを

適当に映画館に入ったらやってたので観た。

アン・ハサウェイが綺麗。

スランプ中のオペラ作曲家、作曲家の妻で潔癖症の精神科医、船の上で暮らす恋愛依存症の女、16歳だけど大好きなボーイフレンドと一緒にいたい女の子、それを監禁で阻止するオヤジ、作曲家と精神科医の息子である男の子など、それぞれがそれぞれの生きづらさを抱えている群像劇だった。

作曲家は恋によってオペラの傑作を書くことができ、精神科医の女は夢だった尼になり、恋愛依存症は一方通行じゃない恋愛を得て、若いカップルは密航により結婚した。

船の上には社会不適合者が集まった。集まって幸せになった。幸せになる方法は人の数だけ存在すると思った。

精神科医が発狂するシーンが強烈だった。

映像も音楽も綺麗で良かった。

3位 劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦

そのうちサブスクで観ればいいかと思ってたけど、タダで観れる機会があったので、映画館に行った。隣のオタクがややうるさかったが、楽しかった。観てよかった。

ハイキューのすごい所は、才能がなくても、あんまりバレーが好きじゃなくても夢中になってしまうところだと思う。全キャラが超上手いわけじゃなくて、だけど、すごいプレイを目の当たりにして、本気になって、追いつきたいやつに負けたら悔しくて、練習したらいいプレイができた成功体験を重ねてく。

ああ、青春ってこうだったな、と思い出した。もう1回高校生やりたくなる。

その他

いま、会いにゆきます

幽霊になって死んだお母さんが梅雨の間だけ家に戻ってくる話。前半はお母さんを亡くして、また別れが来て終わりが来ることを意識しながら、当たり前じゃない幸せを噛み締める少年の話だったが、後半は夫婦の馴れ初めの話。

幽霊になることの説明が、母が自分で書いた絵本しかなくて、説明もうちょい欲しい。

どの層向けの映画なんだろ。高校生の一途な恋愛で喜ぶ若い層なのか、子持ちファミリー家庭の30代なのか。

ドント・ウォーリー・ダーリン

セレブの豊かでキラキラした日常から始まり、映像は美しいが、常にどこか不穏な雰囲気が漂う。不穏さがゾクゾクして良い。めっちゃ引き込まれた。

映像の色使いが好きだった。

閉鎖された高級住宅地のマダムはみんな、夫によって夢を見させられているだけだった。「君は幸せなんだ」と夫に言われても、自分の元の人生を奪われて決めつけられるのがアリスには耐えられなかった。友達のバニーは、夢でもいいから子供たちとここで暮らしたいと思っている。

女は家にいるもんだ、俺と一緒に暮らし、家事だけしてれば幸せなんだと押し付ける男に、女も一人の自立した存在なんだと訴えるような映画。

本部と呼ばれる、荒野に立つ謎の建物に触ると、現実に戻れる。印象的なラストだった。

シャッターアイランド

刑事が孤島の精神科病棟に行き、行方不明者の捜索をするところから始まる。

捜査を進めると、どうやら島の関係者はみんなぐるっぽいことが分かってくる。

そして、最後には刑事自身が精神を病んでいて、病棟の患者だったことが明かされる。ネタバレしないで見たいサスペンス。

火が妄想の象徴、水が現実の象徴。ジョージは、C棟の患者仲間。

全部観終わってから考えると、冒頭の「水が苦手なんだ」という発言が、トラウマからだったとわかる。最後のシーンで、医者や看護師全員で取り組んだロールプレイ治療が上手くいかなかったことを受け止め、ロボトミー手術を受けることにする。

『Shutter Island』というタイトルが、『Truths and Lies』のアナグラムと知って驚かされた。

シャークネード ザ・フォース・アウェイクンズ

4作目。2,3を見てないのであんまり流れは知らないが、どうせくだらないだろうから平気だろう。

ラヴァネード、ファイアネード、ライトニングネードなど馬鹿らしい竜巻が発生。サメ映画というよりは竜巻の災害映画?

ニュークリアネードに関しては原発事故なので普通に悲しい気持ちになった。放射能が緑に光ってた。ナイアガラの滝で中和するとのこと。

最初のプロローグからがっつりスターウォーズ。フォース、ライトセーバー出てくる。

最初のアニメオープニングが良かった。

サメの腹の中から重要人物を一気に全員救出してハッピーエンドは草。すかさず次回の匂わせ。

サメを擦って電気を起こし、除細動器にするのはもう呆れてものも言えない。

バーフバリ

昔のインドの王国の話。兄弟の内乱。船が空飛んだところで思わぬファンタジーに変な声出た。

インド映画はバックダンサーが多いなぁ。

黄色いパラパラした花びら投げがち。ちょいちょいマンガみたいな表現ある。

最後はマッチョ2人の殴り合い。

最後は、バーフバリの息子が王位を勝ち取ったところで終わり。ずっと政権争いしてた。昔のインドの倫理観と現代日本の私の倫理観があまりに違いすぎて善し悪しが判断しづらい。

LIAR GAME The Final Stage

演出がいちいちちょっとしつこいし、テレビ番組みたいなセットだなぁと思った。

画は全然変わらないし、同じ繰り返しが13回も続く映像なのに、2転3転するゲームと人の損得勘定だけでずっと展開が面白いのがすごい。シナリオ作った人めっちゃ頭良いな。

ナオと秋山の恋愛は正直あんまりいらん。

人間の金への欲望より、他人のために最適な行動をしたり、人の善意を信じることで解決するハッピーエンドがすっきりして良い。

君の名前で僕を呼んで

ずっと行ってる美容室のお姉さんが絶賛するから観た。

序盤はずっと、イタリアでバカンス中の高校生を映している。川や湖を泳いだり、草原に寝っ転がったり、木になってる果物を丸かじりしたりする。子供時代でもやってないくらい自然と戯れる。誰も働いてない。何もしないをしてるか、読書、昼寝、作曲活動、スポーツなどに明け暮れる。イタリアってのんびりしてる。

中盤からはがっつりとBL。愛し合ってるっていいなあと思った。

最後は、主人公の相手の男が結婚報告をしてきて、主人公は失恋して涙を流す。実らないと知っていたけどちゃんと辛い。心が痛い。

エリオのうちがゲイに対してフラットな価値観を持っていたから、エリオの失恋を見ても、同性愛の社会問題とかをいったん置いといて、ごくごくありふれたひと夏の儚く美しい恋愛物語、という感じに見える。

おい美容師、これを勧めてくるって、まさか私のことを監視してるのか…?

お互いのことを自分の名前で呼ぶのは、もしかして、相手の本当の名前を甘い言葉で囁いてしまったら、最後の線を超えて戻れないかもしれないと、2人とも口にしないけどなんとなく思ってたんじゃないかと勝手に想像した。どうせ実らないんだからこれ以上相手を好きになっちゃいけない。

ロブスター

全体的に独身の人権がない。恋愛しなきゃ人間じゃない世界で、独身は狩の対象であり、謎の施設内でパートナーを見つけられなければ45日後に希望の動物にされてしまう。

主人公は、サイコパスの女に犬(兄)を殺され、彼女を動物にする。

ポニーになった綺麗な髪の女、その人間最後の日に、夫を手に入れた友人が心無い手紙を読む。

ビスケット好きのおばさんは、独身のままでいるのが、動物になるのが嫌で自殺する。

主人公は施設を抜け出して、独身だけのコミュニティに属すが、そこに居た女を好きになり、最後は受け入れてくれたリーダーを墓穴に入れて野犬に食わせた。

夫婦がいっしょにいる為には分かりやすい共通点が必要で、片方が鼻血をよく出すならもう片方は鼻を自分で打ち付けてでも鼻血を出さなきゃいけないし、片方が盲目ならもう片方も目を抉らなくてはいけない。

こんな世界だったら怖いなぁ。

マッドマックス

イカれてる。ナイトライダーっていう超厨二な名前を名乗る田舎の暴走族を追う警官。

追ってる最中に仲間を失い、警官を辞めたいと上官に言うが、ドライビングテクニックがすごいため辞めさせてくれず、2週間の休暇を与えられる。妻と子供三人で車でドライブ旅行していると、妻と子供がチンピラに襲われ、バイクで轢き殺される。まじで主人公かわいそう。アメリカの田舎の暴走族は汚いし、人間を見るとすぐ襲いたくなるし完全に蛮族。

怒りに狂った主人公はチンピラたちを轢き殺したり向かいから来るトラックと正面衝突させたりして殺す。最後の一人は燃える車に足を手錠で繋ぎ、糸ノコを渡して「手錠はステンレスだから切るのに10分かかる。でもお前の足なら5分だ」と言い残し、去る。完全にやってる事が悪役で間違いないが、妻と子供死んでるししょうがないか。

まとめ

映画13本。そのうち2本は映画館で観た。

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