私が明日死ぬなら

日記

明日朝起きたら、何か致命的な病気にでもなってないかな。そしたら全部、勇気が出るのに。

初夏

5月は花緑青の窓辺から。

たまの休みだし、バスに乗って田舎に帰っていたら、思ったよりも世界が緑色でぞっとした。

何かが決定的に始まってしまって、始まっていなかった頃にはもう戻れない感じがする。訳もなく焦る。初夏が来ている。

次は10分早く来れる?

バイトで、いつもギリギリに出勤していたら、正社員のお姉さんから「次は10分前には来てるといいね」と言われた。

おお、これぞ社会!と私はその時謎に興奮した。8:00から私はシフトに入っているので7:50から働き始める道理は無いはずだけど、そこを10分前から働くのは当たり前、というようにさらっと要求されたのが、私の思う典型的な「社会」ってやつのイメージとあまりにも一致した。

まるで映画でヒーローがマントをはためかせながら少し遅れてピンチを救うタイミングで颯爽と現れたシーンみたいだ。あるいは悪役が2段階に分けて「ふふふ…アッハッハッハ!」と笑うのを見る時、あるいは「俺のことはいいから逃げろ」と死亡フラグを立て、綺麗に回収するチョイ役を見た時のような。

ある意味で使い古された表現方法だが、それゆえに洗練されたイメージがある。典型に沿った様式美。私はその言葉に一種の感慨、美しさを感じたんだよ。今まではスクリーンの中のを見ていただけだったのが、自分の目の前でも起こったことへの感動。

なんで10分前に来なきゃ行けないんだよ、次から8:10シフト開始にしてやろうか、と反抗したくなる気持ちや、社会って理不尽だなぁという諦めや冷笑は何故か起きず、それより先に謎の感動が来た。私はどんなクソ生意気なバイトと比べても、一番タチの悪い性格をしているのかもしれない。

ヒーローがたいてい赤いスーツを着ていて、悪役はたいてい黒い服装をしているように、社会は当然理不尽。

出勤退勤は、カードリーダーで登録し、残業時間はそれに応じてつけられるシステムだ。しかし、私はバイトを始めて1ヶ月弱ということもあり、まだそのカードリーダーが上手く記録されていないというバグが起きていて、修正中だった。

「わかりました」(聞き分けの良さそうに)と、答えていたものの、心の内では、「カードリーダーを直してくれたらな」と付け足しているクソガキである。

食欲

私は小学生の頃からあまり食事というものが好きではなかった。いや、好きな食べ物はあるけど、そもそも食べるという行為が、他の欲に対して優先度が低い傾向があった。

食事のために寝る時間をけずるのがもったいなく感じるし、食事のために今やってる作業を中断するのが嫌だった。お腹が空かないなら1日1食でも気にしない。空いたら仕方なく何か食べる。

小学生は給食を食べるけど、私は食が細かったから食べ切るのがだいぶ苦痛で、嫌いなメニューの日はもう地獄のようだった。早く食べ終えてドッジボールしたいのに終わらない。

食べるのが早い子の真似をして食べてもだめ、残すと怒られるから無理。昼休みが終わって掃除の時間になり、机と椅子が教室の後ろに片付けられてもまだ残ってる。うう、思い出しただけで泣きたくなってきた。

水筒の中にデザートの果物を隠し入れて家まで持って帰って捨てたり、口の中に最後の一口を詰めれるだけ詰め込んでトイレに駆け込んで吐き出す、パンを握り潰してポケットに突っ込んで犬に食わすなど色々やった。

結局、給食がなくてお弁当の中学に進学してなんとか給食とおさらばした。

大学生になった今、誰にも指図されずに好きなもんだけ好きな時に好きなだけ食べてて、幸せに思う。バランスなんか考えたら好きなもんだけ食べるなんてことできないから、栄養は崩壊している。でも、うれしい。幼少期の学校での食育は完全に失敗したと、この身をもって証明している。私に給食を残すなって言った小学校教師、ざまあみろ。

世の中には給食が苦痛な子供は割といるんじゃないかと思ってる。食べれるものだけ食べれる分食べる、みたいな方法で給食の時間を過ごさせてあげれたらいいのにって思う。

ところで、私の食生活がめちゃくちゃなのは自分でもわかってるし、いつか体を壊しそうなので、せめてご飯の時間をリマインドしてくれる同居人が居たらいいのになと最近ずっと思っている。ご飯に関心が無さすぎて、言われなきゃ食べようという気力が湧かない。食欲という人間の根源的な欲求が少ないのだろうか。

食に興味無さすぎて、極論毎日カレーでもパスタでも平気だ。毎日食事するんだから美味しいものを食べるに越したことはないけど、別に不味くないならそれで満足。美味しいものを求めて観光に行くこともそこまでやりたいと思ったことがない。

もっと私に食への関心があったらよかったのに、と最近思うことが多い。美味しいものを美味しそうに食べる人っていいよね。死ぬまでにあと何回食事の機会があるんだろ。

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