ゆるやかに今年に飽きる

日記

いつの間にか今年もあと十日。大切にしたいと思うのに、いつもぼんやりとただ無為に浪費してしまう。東京の冬は暖かすぎて、朝、マフラーをしていくと、たいていすぐに汗ばんできて巻いてきたことを後悔する。

なあ君、ファミレスを享受せよ

フリーゲームで遊んだ。

「ファミレスを享受せよ」というPCゲームで、switch版もある。四色くらいしか使われていない味のあるイラストとテキストで進むSF。エンドが二つあって、普通のやつとトゥルーエンドの二つを見た。全部で二時間ちょっとくらい。

面白かった。永遠の暇を与えられて、狂う寸前を踏みとどまるような、どこか投げやりで諦観的な、ふわふわした会話の雰囲気が好きだった。夜のファミレスに一人で行くような孤独感と、ファミレス内にいる自分と似たような寂しさをもつ人間との、力の抜けたような世間話が心地よい作品だった。

はとバス乗った

妹と母がはとバスを予約して、東京を観光するようで、私もせっかくだからいっしょに観光することにした。夕方から夜にかけて、東京タワーとヒルトンホテルでの夕食ビュッフェ、東京スカイツリーを回るツアーだった。

前日にたまたま徹夜みたいなことをしていたから、夜の暗いバス内で寝てしまわないか少し不安だったけど、久しぶりに会う妹が隣だったので寝ずに済んだ。東京タワーもスカイツリーもまあまあ楽しかった。高いけど、高いだけじゃもうろくに感動できなくなっていて、幼いころの自分と比べて感性の衰退を感じるよね。写真と同じじゃん、と思う。こういうやつは観光に向いていない。

バスガイドの話をぼんやり聞きながらバスの窓の外を眺めていたら、煌々と明かりのついたビルの二階の一室が目線の高さに見えた。人間が何十人か集まって、頭にサンタクロースの赤い帽子やら、トナカイの角のカチューシャやらをつけてパーティーしてるのが丸見えで、面白かった。その部屋にいる人達は楽しんでいるに違いないんだけど、傍から見ると滑稽ということはよくある。

ああもうクリスマスかぁ、と風物詩を見たような気持ちになった。

ビュッフェでは、アジアンフードをメインにたくさんのご飯が並んでいて(実はこれを目当てにいっしょに行くことにしていた)、とても満足した。アイスクリームを自分ですくって食べられるコーナーが会ったんだけど、隅のほうにあったからなのか、まだ時間が早かったからか、誰もまだすくっていないようだった。「誰も踏んでない雪を踏もうぜ」と、私と妹はまだ誰もスプーンを入れていないアイスクリームをほじった。誰もスプーンを入れてないから味も間違いなく新品で少しの混じりもないし、上にトッピングとして乗っているオレンジピールやら、ティラミスパウダーやらを堪能することができた。

こういうのは、二番目と一番目には大きな違いがある。二番目にすくうのと十番目にすくうのとはそう変わらないかもしれないけど、一と二はずいぶん違うんだ。

スケ帳買った

2024のスケジュール帳を本屋で買った。私はたぶん中学生くらいからずっと気に入ったブランドの手帳を使い続けている。クレールインデックス2。

いつも持ち歩いて細かい予定を書き込んだりとか、そういうことはしないんだけど、手帳の縦に一か月分の日付が並んでいてリストみたいになっているところに、観た映画を書き込んでいる。友達との遊ぶ予定も突発的じゃないものはできるだけ書き込む。数年後に見たときに何をやったかな、と思い出せるように。

入学式とか、夏休みがいつ始まるとか、高校時代のテスト期間とかの情報は割と重宝したりする瞬間がある。ちょっと年下の人に連絡を取ろうとするとき、自分が高校生の時、これくらいの時期はどんな感じだったのか思い出すのに使えて良い。

寒い冬を忘れた

朝家を出ると、鼻の奥に冷気が刺さって何十秒かツーンとすることが増えた。でも、まだマフラーはいらない日が多いし、日中は日差しが暖かい。雪も見ない。東京に来ると自然というものをすっかり忘れてしまう。

手先が凍ってしもやけになることもない。上下ウィンブレでマフラー、カイロを持って靴下二枚履き、ヒートテックと重ね着のためのTシャツを装備しても全然効かない雪の積もった風のクソ寒い駅のホームで「電車早く来いまじで早く耳が死ぬ寒い寒い寒い一秒でもいいから早く来いいいから早く」と思うこともない。

思い出すだけで恐ろしい思い出だけど、生まれたときから東京で育った人はこれを知らないんだ。温室だよ。これだから都民は嫌なんだ。ひどい経験をしたことがあるというだけで人は偉いわけじゃないし、それでマウントを取ってはならないとは思うんだけれど、アホな顔をして、雪がいっぱいあって楽しそうだな、と抜かすやつには、一度同じ思いをしてほしいと呪ってしまう。

最近、スキーかスノボに行きたいな、と思い始めている。部屋で画像を見ているとさわやかで手軽で楽しそうなレジャーだが、実際のリアルを思い出したところ、ケツは痛いし、足の指はしもやけで腫れるし、顔は日焼けでひりひりするし、足は筋肉痛というしっかりとしたスポーツなのだ。私も山の寒さを忘れているのかもしれないな。

ハイテクおばあちゃん

私は幼いころからあまり愛想のいい子供じゃなかった。祖父母宅に行っても挨拶もせずもじもじしてるガキだったから、あまり人にうまく甘えたり、気に入られる術を知らない。妹はそういうのが上手いから、度々ボーナスお小遣いをせしめている。少し妬ましいけれど、かといって媚を売るのは嫌だ。

数か月前、祖母とLINEが開通した。正直数年会ってないし、向こうが私をどんな風に思っているのかもよくわからない。でも、誕生日には高級そうなデパートお菓子と現ナマの入った封筒をくれるから、形式的には可愛がってもらっている。ちなみに妹はもっと以前から開通していて、ささやかな雑談とかをしていたらしい。

で、私にも時々祖母からLINEが来るようになったんだけど、その話題が、「大阪万博に行ってきました」だの、「おじいさんとランチに行きました」だのそういう話題で、四枚のきれい目な写真とともに送られてくる。文章は、おばさん構文って言うのかな、やたら絵文字を使ってカラフルなもんだから、大阪万博の時は、大阪万博公式アカから宣伝が来たのかと思った。

おいおい勘弁してくれよ、どうやって返したらいいんだよと毎回頭を抱えてスタンプを送っているけど、まあ、たまにはこういうのも悪くないのかもな、と思っている。

まふ高すぎな

カラオケまねきねこには、「まふ」という学生限定で、午後六時から朝五時まで770円でドリンクバー付きというプランがある(田舎の場合は330円)。マジで神制度なんだけど、この前まねきに行ったら、12月の忘年会シーズンのせいで、まふがなんと1400円になっていた。しかも二部制。午後11時で入れ替えが入る。つまり、午後六時から朝五時まで普段と同じ時間楽しもうと思ったら2800円もかかる!4倍!信じがたい。ぼったくりだ。

でもその日はオールする予定で来ていたから他に行くところもなく、しかたなしにその料金に従った。マジで値段設定が露骨。ああ、これが経済かぁ、と思った。こんなところで実感するために経済学やってんじゃないんだよ。

まあ、いい勉強になったかな。あと二年はまふを利用させてもらう身だし、知っておけてよかったと思おう。

ちなみに、三人でやってたんだけどいつの間にか三人ともパソコンを広げて課題のプログラミングを始めた。冬休みに入っちゃうと、もう会っていっしょに宿題するタイミングが無いから自然なことと言えば自然なんだけど、徹夜でカラオケボックスで宿題やるって、さすがに限界大学生すぎないか?

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