PASMO残高41円。もうどこにも行けないね。
1位 ナイト・オン・ザ・プラネット
タクシードライバーの5つの短編集。
ロサンゼルスの女の子と映画の仕事をするおばさん。女の子の性格が好き。
ニューヨークは元ピエロの東ドイツから来た、運転も覚束無いおじさんドライバーに黒人がたまらず運転を代わる。オチが草。
パリは盲目の女とコートジボワール出身の黒人ドライバー。肌の色なんか盲目には関係ない。
ローマは神父を殺してしまったと早とちりして死体遺棄。一番アホっぽい。
ヘルシンキは不幸な目にあったおじさんたちの話。意外と自分だけが不幸というわけではない。
全体的にコメディで心温まる感じ。地球上の同じ時にいろんな人生が動いている。
2位 ちひろさん
「他人も家族もないんだよ」
「あなたならどこへ行っても孤独を手放さずにいられるわ」
ちひろさんは全ての考え方がフラットで、何にも執着しない。生きたいように生きて、ある日ふっといなくなる。
ちひろさんは人は所詮一人、と信じている気がした。だから、夜を味方にする風俗嬢のお姉さんが同じ星の人に見えた。誰にも見て貰えないひとりぼっちを、息をするように助ける。ホームレス、海鳥、気まずい家族の少女、不登校、鍵っ子の少年、あとたぶん、風俗嬢の友達。
孤独でいることは悪いことじゃない。みんな本来的に孤独であり、でも世界のどこかには分かり合える人がいるかもしれない。
「月にウサギなんかいないよね?」
「いるわけねえだろ」
月がよく映される。
人にも自分にも期待しない。だから、仲良い人が出来るのはちょっと怖い。でも、会えてよかった。
3位 イミテーション・ゲーム
アラン・チューリングの偉業についての実話を元にした映画。イギリス人。第二次世界大戦の時に、ドイツ軍の使っていたエニグマという暗号を破るマシンを作った数学者。今日のコンピュータの基礎。チューリングテスト(質問をすることで、回答者が人間的な行動を取れるかのテスト)の考案者。
「時として、誰も想像しないような人物が、想像できない偉業を成し遂げる」
このセリフが物語中に何度も現れる。
暗号解読したからといって、その情報を利用したら、ドイツ軍にバレて対策されてしまうので、じわじわと少しずつ戦況を有利にしていくことしかできない。戦争が終わっても称えられることも無く、資料は全て燃やされる。暗号解読は素晴らしい偉業なのに誰にも知られてはならない影の存在なのが切ない。
その他
時計じかけのオレンジ
若者の言葉なのか、隠語なのか、よく分からん言葉使いをする。スタンリー・キューブリック監督。
暴力、強盗、強姦など悪行の限りを尽くした不良少年アレックスは警察に捕まる。映像を使った洗脳を受け、暴力と性的なことに触れると吐き気がするようになる。あと、好きだったベートーヴェンの第九を聞くと死にたくなる。
しかし、自殺して生き残ると、またバイオレンスとセックスを取り戻し、完全に治ったね、と言って終わる。
子供は見ちゃダメなやつだ。
あと、ミルクバーってなに。
余命一年の僕が、余命半年の君と出会った話。
suisさんが「若者のすべて」を歌ってたから観た。
こんな話がほんとにあったらそれはまあきれいなことだと思う。
人が2人も病死しているので、感動しなくちゃならないような気にさせられる。
ストーリーとしては、もうちょっと伏線とかあったらよかったんじゃないかな。三本のガーベラの意味とか、後出しだし、普通に好きなの見え見えなのに花火の音で遮っておく程度の隠し要素がもうちょいだと思った。
登場人物が割と死を受け入れていて、生きたいと思えたというセリフはあるものの、そこまで生に執着しないので、死んだ時に迫ってくるような切なさはあんまりない。好きだけど、別に死別に対して悲しみがそこまで無いので悲恋でもない。
やたらタイトルがラノベっぽいな。
パルプ・フィクション
新文芸坐で観た。大スクリーンで観れてよかった。オールナイト上映もしてるみたいだし、また行きたいと思える映画館を見つけた。
チーズバーガーはチーズ・ロワイヤル。
改めて観ても登場人物の会話の雰囲気が好き。
デッド寿司
頭おかしくなる。アタック・オブ・ザ・キラートマトの寿司バージョン。グロ多めだが、それを上回るカオスさとバカさ。
寿司職人の父と喧嘩して家出したケイコは旅館でおかみをしている。旅館に泊まりに来た社長一行といっしょに製薬会社に恨みを持つ男が現れる。死んだ細胞をゾンビにする薬を開発し、イカ寿司に入れる。噛まれると感染する。寿司が空を飛んで襲ってくる。寿司は交尾で増える。
女体盛りからの血飛沫、風呂覗きからの首ちょんぱで非常に満足。
屍者の帝国
思考は言葉に先行する。言葉を取り戻したからと言って、感情とか人間らしいものを取り戻したとは言えない。
フライデーに魂を戻せるかもと思って手記を破棄しなかった主人公。手記で全人類ゾンビ化しようとする男を止めることにする。
屍者も機械人形にも魂はあるかもね、みたいな結末。(あってる?)
ゾンビになった人が元に戻ったような描写があったけど、事件以前にゾンビになった人は元に戻ってないっぽい。
急に出てくる結晶体は何?
最後主人公もゾンビ化する描写はなんで?
カラマーゾフは機械人形に魂を移植して妻を再現しようとしたんだろうけど、なんでフライデーが必要なの?フライデーが機械人形を妻だと呼ぶのはなんで?
フライデーに魂あるならなんで時々主人公を殺そうとする?
なんでワトソンをホームズと結びつける必要あった?
ジュリアン
フランス映画。怖くて泣きそうだった。ホラー映画より怖かった。
別れたのにしつこく妻と子供に付きまとってくる夫の話。最初の裁判の時には妻と夫どっちが嘘を言ってるのか分かんなかった。しかし、11歳のジュリアンが週末にその夫といっしょにいなければならなくて、暴力や怒鳴りが怖くて一度逃げ出すが、荷物や鍵のため、引き返すしかない。
夫はずっと話をしようと言っているが、しつこすぎて何がしたいのか分からない。時折泣き落としをしようとしてくるのも嫌すぎる。
最後の押し込みの所が本当に怖すぎた。こんな家庭環境というか、とち狂った人間が父をやってる家庭がどこかにあるんだと思うと怖い。
ノッティング・ヒルの恋人
どんくさい男を好きになる有名女優なんて、オタクに優しいギャルの英国版じゃないか。まあ、ラストは良かったねって感じ。
すぐキスするの何なん。いろんな男と付き合ってきて経験豊富で恋多き掴みどころのない美女。
女優をフったところで、二人は追う人と追われる人じゃなくて対等になれたのかな。女優は好きな人と一緒にいたいひとりの女の子になったし、主人公は好きだった人といっしょになれた。
ノベンバー
白黒映画。エストニア。主人公の女の子リーナが幼なじみの青年ハンスに恋する話。死者が幽霊みたいに蘇ったり、ガラクタで作られた化け物が動いたり、交差点で悪魔と取引をしたりするファンタジー。童話っぽい。悪霊が身近すぎる。ズボンを被って納屋に寝そべってたら騙せるとか何?
金持ちで夢遊病のお嬢さんに恋したハンスは悪魔と取引し、クラットと呼ばれる何かを雪だるまに取り付かせ、話をする。
リーナが素っ裸で転げ回るシーンと、やたら出てくるオオカミがよくわからんかった。
美しく着飾ったリーナに惚れたハンスはキスをするが、悪魔の契約によりハンスは殺され、リーナは入水する。入水シーンが驚くほど美しかった。
メメント
短時間で記憶を無くす男、レナード。妻が殺されて、その犯人を殺すために追っていることだけはわかっている。
切れ切れでバラバラなシーンの連続。あっという間に2時間が経っていた。
何も覚えていられないから、何かのために動いてないと生きる意味が無くなってしまう。復讐を本当はもう果たし終えているのに、自ら謎を作って自分を迷わせる。違う、本当は妻を殺したのは自分で、想像のサミーに罪をなすり付けなければ生きていけなかった。
オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ
夜中に観たい映画。愛し合うバンパイアの夫婦、アダムとイブの話。終わり方がホラーだが、内容はホラーと言うよりチルい。長い寿命の種族は、その寿命を使って音楽や読書に明け暮れる。イブの妹、エヴァがまじで困った子だったが、最後、殺す以外にどうしようも無くなった二人も殺人をする。
ミステリー・トレイン
3つの章にわかれている。
馬鹿な日本人カップル、断れない女、失業して振られた男が同じ夜に同じ宿に泊まる。チルいコメディ。
ドラマ
チェイサーゲームW
レズビアン同士の恋の話。中村ゆりかさんがめちゃくちゃ可愛かった。
夫と子供がいるふゆは、愛してる樹と別れて中国に戻る。同性同士なだけで一番愛し合ってたとしても別れなきゃならないのが辛い。
まとめ
映画14本、ドラマ1本。オールナイトに行ったこともあり、真夜中に染み渡るような良質な作品に出会えた。