6月に読んだ本

小説紹介

恐竜のお玉がずっと欲しいと思ってて、最近プレゼントされてすごい嬉しかった。青いネッシーのデザインの、樹脂製のお玉なんだけど、トマトスープ作ったら赤が染み付いてもう変色した。

スターティングオーヴァー

三秋縋

この人は卑屈や根暗、友達のいない人間の内面を本当に上手く書くなぁ。中学くらいでそんなに友達いなかった時代を思い出した。

世界は本質的に美しくて、要はそれを感じることの出来る力の問題であって、だからこそなにもかもどうでも良くなって死すら受け入れた時、その美しさがわかる。

逆転美人

藤崎翔

すげえ!紙の本は終わらないな。世界でいちばん透きとおった物語に続いて、紙の本だからできるトリックで、ドキドキした。

書くのすごく大変だっただろうなぁ。

ムゲンのi

知念実希人

夢をテーマにしたファンタジー。途中からものすごくシャッターアイランドを感じた。

猟奇殺人の被害者が前を向いて生きるには、周りの人が自分にかけてくれていた愛情を自覚し、夢でその人たちと会うことしかできないんだなぁと思うと、とても切ない。被害者は何も悪くないのに、自分が立ち直るために加害者を許したり、長い時間と痛みを感じながら乗り越えるという苦労をしなければならないのがすごく理不尽。なんで被害を受けたこっちが苦労しなきゃならないんだ。

この人を見よ

ニーチェ

晩年に発狂しながら書いた本だということで、どこまで真剣に読めばいいのか測りかねた。

終始、私は素晴らしい人間だ、私の書く本は素晴らしい、その素晴らしさがわからないやつはみんな馬鹿だと述べており、ドイツ生まれなのに(24歳で無国籍)特にドイツ人全般をバカにしている。

キリスト教や、善人、道徳も否定し、あらゆるものの価値転換を説明。宗教は生を否定する。善人の概念は淘汰の法則が阻む。

「私の徳はあまりに満ち溢れているがゆえに、自分自身に倦きてしまったのだ!」

デカダンス…虚無的、退廃的、病的な唯美性を特色とする芸術の一派。

ディオニュソス…ギリシャ神話の酒の神。陶酔的、創造的、激情的。

ツァラトゥストラ…ゾロアスター教の開祖のドイツ語読み。

君のお金は誰のため

田内学

お金自体には価値がない。

お金の枚数を増やすことじゃなくて、生産性そのものを上げなくちゃならない。少子化のせいで生産性が落ちないように、少ない人数で効率よく仕事を回せるような社会を作らないといけない。

儲からない会社は存続出来ないが、儲けること自体を目的にしたら会社は長続きしない。長続きするのは、社会の役に立っているから。

誰かの幸せのために働く。働いて社会を良くすることが大事だとわかった。私が選ぼうとしてる会社で、私は誰かのためにこの手段で働きたいと思えるのかな?と考えさせられる。

ラッシュライフ

伊坂幸太郎

無職のおっさんが富豪に拳銃を向けた時、かっこよかった。しょうもない人生の人が、根性見せたり、他の人を何気ない一言で救ったりするのに感動した。世界が本当にこんなだったらいいと思った。

何人もの人生が絡み合い、邪魔をしたり助け合ったりして進んでいく群像劇。人生の一日だけ自分が主人公で、あとはバトンを渡していくだけ、というセリフが良かった。エッシャーの絵と展望台を絡めて、最後はすべて種明かしされる。

マンガ

サマータイムレンダ

田中靖規

ループもの。怪異や超常現象がたくさんでてきて、それらにすべて細かい設定がある。

ミステリやサスペンスの面白さよりは、アクションとか泥臭い友情のほうが感じられた。

そこまでぶっ刺さる作品じゃなかったけど、巻末資料や、カバー外した表表紙や裏表紙の資料が見られたので、紙の本で買ってよかったとは思う。

ファンタジーに向かってあんまり言ってはいけないような気もするけど、私の中で、創作における超常現象の約束(設定)ひとつまで、という謎のルールがある。この設定を説明するためにさらに追加された設定、というものを許していくと、話の筋や伝えたいテーマより、それを覚えるのにリソースが割かれる気がする。

宝石の国

市川春子

人間と言う、善も悪も持つ存在は消えて無になるべきという話。宝石たちはフォスによって砕かれ、月人はフォスに祈りによって無になった。最後に石と機械だけが暮らす星ができた。

クソ永い時間が流れる話なので、あまり他のマンガで見ない感じだった。

まとめ

漫画2作、小説5冊。まあそこそこ読んだ。

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