2月に読んだ本

小説紹介

今月はいっぱい読んだかな

そして名探偵は生まれた

歌野晶午

主人公の違う4つの短編が入ってるミステリー。めちゃ面白かった。トリックもそうだし、話のオチが面白い。ちゃんとセオリーどおり、説明するところは説明し、そりゃないよ、とイラつくような謎は一切無い。『生存者一名』が一番好きかな。

世界でいちばん透きとおった物語

杉井光

紙の本は!終わらねえ!!

私は電子書籍よりも紙の本の方が100倍くらい好きだ。ページをめくる楽しみ、手触り、より世界に没入できる気がする。充電なんかなくてもいい。

でも、この物語の主人公は目が疲れてしまうから紙の本が読めない。そんな主人公は、大物小説家の愛人の息子。女にすぐ手を出し、性生活にだらしないクズな父親は小説を書く時はいつもアナログだった。

最後まで読んで、それからページを思わず遡り、鳥肌が立った。透いてる。

これはネタバレ無しで読んで欲しい。

この本を書くにあたって作者さんはものすごく気を使って工夫したんだろうなと思うと、何でもかんでも電子化が進む今日この頃の、紙の小説の存在意義を強く肯定してくれたみたいに感じて、勝手に感動していた。

PK

伊坂幸太郎

PK、超人、密使の中編小説が3つまとまってできた小説。時間もの。間隔をあけて読んでしまったから理解が浅いとこもあるかもしれないけど、まあまあ好きだった。

エレファントヘッド

白井智之

書店でアオリが気になったのでソフトだったけど買っちゃった。

面白かった。主人公は猟奇的な心を隠しながら、表面上は大切な家族と暮らす精神科医。何もかも成功して上手くいっているかのように見えるが、その実、幼い時から親を殺したり、異常な性癖で人を監禁しておぞましい性欲発散したりしている。大麻は常にやってて、ある時、自暴自棄になってシスマというやばいヤクに手を出す。

シスマはなんと服用者の脳に働きかけ、パラレルな新しい自分を生み出す。それぞれの世界で生きる夢で会える自分の分身たち。

イカれたサイコホラーかと思いきや、ちゃんとミステリーで、めっちゃ頭いいなと思った。

変な家

雨穴

家の間取り図を元にして物語が進んでいく、初めて読むタイプのホラーだった。ミステリーというよりは、オカルト。お化けとか出ないけど、昔の因習とか、家系、血なまぐさい跡継ぎ問題など、あー人間って怖いよなと感じる作品だった。

図が多いからか、情景描写はあんまりなくて、登場人物のセリフでテンポよく進んでいき、短時間でサクッと読めるので良い。

植物に死はあるのか

稲垣栄洋

最近気になってたパラドックス、水槽の中の脳とテセウスの船が出てきた。植物学を教える先生が生徒からの質問メールについて、植物から生命、死についてなどを考える話。論説文かと思いきや、伏線とその回収があって読み物として面白かった。買って良かった。

マルチエンディングストーリー

深水黎一郎

前半は普通の推理小説かなと思いながら、あと半分もあるのかと考えながら読んでたけど、後半からぐっと面白くなる。

この本を書くにあたって作者は前半だけを公開して、読者に誰が犯人がいいか投票させた。そして後半に各世界線の結末を、死んだ主人公と神(作者)が死後の世界から覗き見るというまったく新しいミステリーだった。まさにマルチエンディング。作者は神だから誰を犯人にすることも出来る。

最後の締め方が良かった。

漫画

ぱちん娘

若林稔弥

絵が可愛い。

パチンカスの女たちの漫画。パチンカスはみんなクズで、当たると脳汁出ておかしくなる。

主人公のOLはプライドが高く、自分を棚に上げて仲間たちをクズだと見下している。しかしパチンコ以外の趣味もなく、金も男もない。

これを一通り読んで私はパチンコは絶対やらんと心に決めた。主人公と性格が被りすぎていて危ない。

まとめ

7冊と漫画少し。大きな書店に行って適当に買ってきた本の中に、なぜ人はスマホを手放せないのかみたいな帯がついてるやつがあって、スマホを触ってるせいで読み切らなかった。

バカにでもわかるように説明したところでそもそもバカは説明を聞いてない、の状況すぎて笑える。今月読むよ。

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